
子宮瘢痕症のための薬膳と漢方
Share
・子宮瘢痕症について
子宮瘢痕症は、帝王切開五などによく見受けられる症状、
手術などの影響で子宮の組織に瘢痕(=傷跡)が残り
それが原因で月経異常や不妊、慢性的な痛みなどの症状を
引き起こす状態を指します。
これは正式な医学用語ではありませんが、特に
帝王切開や子宮筋腫摘出術、流産手術(掻爬など)などの
術後にできた子宮の瘢痕が問題となるケースでよく使われます。
🔍 具体的には…
よく見られる状態:
-
帝王切開後瘢痕(C-section scar defect)
-
子宮下部に瘢痕が陥凹(へこみ)状に残り、月経血がそこにたまり
出血が長引く -
「ニッチ(niche)」や「イストマス症候群(isthmocele)」とも
呼ばれる
-
-
子宮内膜癒着(Asherman症候群)
-
掻爬手術などのあとに子宮内膜同士が癒着し、月経減少や無月経
不妊を招く
-
-
子宮瘢痕部の炎症・痛み
-
古い瘢痕が慢性的な炎症を起こして、痛みや着床障害の原因
となります
-
🧬 主な症状:
-
生理が長引く・不正出血
-
生理痛が強くなる(瘢痕部位の炎症など)
-
経血の停滞感、黒ずんだ出血
-
不妊・着床障害
-
慢性骨盤痛
-
子宮破裂(妊娠中のリスク)
🧭 対応・治療法:
方法 | 内容 |
---|---|
🔬 画像検査 | 経膣エコー、MRIなどで瘢痕の陥凹や癒着を確認 |
💊 ホルモン療法 | 出血や痛みのコントロールにピルや黄体ホルモン |
🧪 子宮鏡検査/手術 | 癒着の除去や瘢痕形成部の整復 |
💉 漢方・薬膳療法 | 気血の巡りを整え、瘢痕による「瘀血」を改善) |
🥣 薬膳・漢方的視点でのアプローチ:
中医学では、子宮瘢痕の状態は
「瘀血(おけつ)」「腎虚(じんきょ)」「気滞」
の3つを中心に考えます。
💡 症状から考えるタイプ別:
タイプ | 特徴 | 薬膳対応例 |
---|---|---|
瘀血タイプ | 生理痛が刺すように痛む、経血に塊、不正出血あり | 丹参、桃仁、紅花、田七人参、ヨモギ、当帰など |
気滞タイプ |
下腹部が張る、情緒不安定、生理不順 | 香附子、陳皮、木香、紫蘇など |
腎虚タイプ |
不妊、基礎体温の乱れ、冷え、疲れやすい |
枸杞子、山薬、熟地黄、鹿茸、阿膠など |
📝 まとめ:
子宮瘢痕症は、手術経験のある女性に比較的多く見られますが
慢性症状や不妊の原因になっていることに気づかれにくい疾患です。
検査や診断は婦人科で行えますが、漢方薬や薬膳による体質改善も
合わせて行うことで、症状の軽減や妊娠へのサポートが期待できます。