砂糖と養生のお話しです

砂糖と養生のお話しです

 

 

こんにちは、鳥取で漢方談や薬膳講座を開催している

イヌイ薬局の乾です。

今日は、お料理やお菓子作りに欠かせないお砂糖などの甘味料についてのお話しです。


甘味料もいろいろ種類があり、それぞれ目的が違います。

味つけとしての「甘味」も大切ですが、氷砂糖、白砂糖、

黒砂糖などそれぞれ特徴があります。

古来、甘い味わいは貴重なもので高貴な位の人々の嗜好品とされて
いました。

 

甘みの代表的な砂糖と養生法について

★氷砂糖:呼吸器の養生


氷砂糖(こおりざとう)は、白砂糖から精製して出来る氷のような結晶が氷砂糖です。

溶けるのに時間がかかるため、

果実酒のなどの場合にはじわじわと味がしみこみ、

後味がすっきりまろやかな味わいにさせるのに適しています。

薬膳的に、性質は身体を暖めも冷ましもしない平性の食材です。

呼吸器の養生として咳をとめたり、痰を取る効能があるとして風邪を引いたときなどに

利用されています。

氷砂糖と梨に水を加えて煮詰めた「梨シロップ」は、咳止めとして利用されたりします。

★白糖:消化器の養生に

白砂糖は「糖霜(とうそう)」ともよばれる純粋な砂糖の結晶です。薬膳的な性質はやはり、温めも冷ましもしな

い平性です。

糖分が生活習慣病の重大な原因とされる現代では、健康の目の敵にされて

いますが、薬膳では適量であれば胃腸の働きを高め食欲不振、胃痛、下痢などの不調に使われます。

色あいから、三温糖を黒糖と考えている方が多いようですが、

三温糖は白砂糖を精製したあとの糖液を煮詰めたもので、加熱によって茶色になっています。

基本は白砂糖と同じです。


★黒砂糖=女性の養生に

黒砂糖は薬膳的には温性で身体を穏やかに温めます。

散寒作用=冷えを散らして肝経に入り、月経を整える調経の効能があるとされています。

冷え症で、生理が乱れている女性に黒砂糖と

同じ温性の紅茶に生姜と黒砂糖を入れてすすめたりもする。

黒糖は、サトウキビの絞汁を濾過し煮詰めたものです。

「紅糖」とも呼ばれる糖蜜を含み、ミネラルなどが豊富なため

コクのある濃厚な味わいです。

温性で身体を暖めるほか、血液を補う効能があるので

貧血、冷え性、生理痛など女性に嬉しい砂糖で、

生姜をいれた「黒糖湯」は身体が暖まります。

砂糖のお菓子を食べる機械が多く、女性の薄着が多い日本では、

もっとも活用したい砂糖が黒糖でしょう。

これら氷砂糖、白砂糖、黒砂糖の特徴を踏まえて、

身体にあったお料理がおすすめです。

三温糖は白砂糖と同じと考えてお使いください。

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