
薬膳食材辞典・・・西洋人参(セイヨウニンジン)、西洋参
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鳥取でアトピー性皮膚炎など皮膚トラブルを薬食同源、漢方のお薬、スキンケアで根本的な改善のお手伝いをしているイヌイ薬局の乾 康彦(いぬい やすひこ)です。
西洋人参には、強壮作用をはじめ
血糖降下作用、免疫増強作用
など、さまざまな作用
糖尿病や高血圧、老化防止
など幅広く応用される多用な作用を持つ
「のぼせない人参」と言われる西洋人参
朝鮮人参に比べて作用が穏やかなのが特徴。
滋養強壮に優れ、余分な熱を冷まして体に
潤いを与をる作用があるため
慢性疲労をはじめ、夏バテや口の渇き
糖尿病や慢性胃炎、抗がん剤の副作用など
に利用されています。
康熙皇帝が満州祖先の発祥地である長白山に
敬意を表すため、聖地として長白山のすべて
の草木の伐採を禁止したため、人参の供給が
不足し、その結果、西洋人参の大量輸入につ
ながったとも言われています。
西洋人参は、清代の一六七四年に著された
『本草備要』で
正式に生薬として収録されました。
現在では、中国各地で栽培され
滋養強壮に優れる西洋人参は、
免疫機能を高める作用のあることが知られ
滋養強壮の生薬といえば、朝鮮人参
が有名ですが、
西洋人参は朝鮮人参に比べて作用が穏やかで
神経を興奮させたり、血圧を上昇させたりする
心配がないため、応用範囲が広いのが特徴。
西洋人参の薬性は体に澗いを与え、熱を冷
まして興奮を鎖める「寒性」で
朝鮮人参は反対に、体を温めて新陳代謝を活発
にする「温性」の薬性を持っています。
強壮作用のある生薬は、健康食品として用
いられることが多く、長年中国で「不老長寿」
の強壮食品として不動の地位を誇っていた朝
鮮人参を抜いて、西洋人参のブームになって
います。
特に不足した気(エネルギー)を補い、陰液
を養う益気養陰作用と、体内の熱を冷まして
体液を補う清熱生津作用に優れているため
主に気と陰が不足した気陰両虚の症状の改善
に用いられています。
一七五七年に編募された『本草従新』に
は、「肺の機能を補い、降火(解熱及び消炎)、
津液(体に必要な体液)の生成、心煩(胸部
に熱を感じて胸苦しい症状)及び倦怠除去の
効能があり、抗病能力や生理機能が低下し、
微熱もあるような者に適している」と掲載さ
れています。