国際中医師・国際中医薬膳師おすすめ　熱中症予防の薬膳と漢方

2025年7月18日

毎日30℃を超える暑さが続いています。
今年は急激に圧かなり「千年猛暑」も予想され、
室内でも熱中症のリスクが高まっています。

千年猛暑の空

特に高齢の方や体力の落ちた方は、水分とミネラルの補給に加え
**体を内側から潤すケア＝薬膳的な工夫**
がとても大切です。

🔶【熱中症とは？】3段階の症状と応急対応

症状レベル   主な症状   対処法
軽度   めまい、筋肉痛、大量の汗   水＋塩分補給
中度   倦怠感、吐き気、頭痛   足を上げて安静・水分摂取
重度   意識障害、痙攣   救急要請＋身体冷却

🔶【漢方で守る】“気陰”を同時に補う《生脈散（麦味参）》
中医学では、夏の「暑さで失われる体液＝陰」を守るとともに
「バテによる気力の低下＝気虚」も防ぐことが重要です。

その両方を助けるのが、

生脈散（しょうみゃくさん）＝西洋人参＋五味子＋麦門冬

煎じが面倒な方は、漢方薬局では

「麦味参顆粒（ばくみさんかりゅう）」として市販されて
夏の定番処方です。

▶ 生脈散：スポーツ後、病気が子知れた時など長期療養後の疲労
夏バテ予防にも

🔶【体を潤すレシピ】トマトジュースで“夏の薬膳”
夏の野菜・果物は「身体の熱を冷まし、潤す力」が豊富。

中でもトマトは「清熱生津（体を冷やし、潤す）」の代表食材。

🍅おすすめは「手作りトマトジュース」
トマトに香味野菜を加え、低温でじっくり煮込むことでリコピンの吸収率もUP。
詳しいレシピは、辰巳芳子先生の『いのちのスープ』をご参考ください。

✅薬膳的トマトジュース
✅【１】トマト＋セロリ＋生姜（微量）＋黒きくらげパウダー
🔸薬膳的効能
食材　薬膳効能　　　　　　　　　　　　　　　五味・五性・帰経
トマト   清熱生津・養陰・除煩　　　　　　　　　甘・微酸／涼   肝・胃
セロリ   清肝熱・平肝陽・降血圧　　　　　　　　苦／涼   肝・肺・胃
生姜（少量）   散寒・温中止嘔　　　　　　　　　辛／微温   脾・胃・肺
黒きくらげ　潤肺・養血和血・活血化瘀・止血　甘／平   肺・胃・肝

💡薬膳的まとめ
・潤しながらも瘀血を流し、肝火も静める組み合わせ
・特に**血虚・血瘀・熱体質の女性（特に30〜50代）**

　におすすめ
・「潤い不足 × 冷え体質」の方にも、生姜がバランス

　をとってくれます

🔬栄養学的には
・トマト：リコピン（抗酸化）、ビタミンC・カリウム
　リコピンは低温加熱（50℃）で吸収率がUP

　（辰巳レシピの特徴）
・セロリ：アピイン（鎮静）、カリウム（むくみ対策）
　ストレスによる火照りを予防

・生姜：ジンゲロール（抗炎症・血行促進）

　お腹を少しだけ温めて、吸収アップ
・黒きくらげ：β-グルカン（免疫活性）、食物繊維、鉄分、カルシウム
　身体を潤し血を調和させます
　血を補うだけでなく、腸内環境を整える作用が強いです。

✅【２】トマトとスイカのジュース
🔸薬膳的効能
食材　　　　　　　　薬膳効能　　　　　　五味・五性   帰経
トマト　　　　　　清熱・生津・養陰・解暑   甘・酸／涼   肝・胃
西瓜（スイカ）　　清熱・解暑・除煩・利尿   甘／寒   心・胃・膀胱

💡薬膳的まとめ
・熱を冷まし、体内の余分な熱と湿を追い出す清熱利水ジュース
・特に暑さによりほてる・喉が渇く・尿が少ない方にとてもオススメ
・夏の熱中症対策・日射後のクールダウン・むくみ防止に理想的
・特に妊婦さんや冷え体質には「常温」での摂取がおすすめ

🔬分子栄養学的解説
・トマト：リコピン・ビタミンC
・スイカ：シトルリン（血管拡張、筋肉疲労軽減）